離職を防ぐためにできること
〜動物病院経営における“定着力”の育て方〜
なぜスタッフは辞めるのか?
「せっかく育ったスタッフが辞めてしまう」
動物病院経営で最もよく聞く悩みのひとつです。
よくある離職理由は次の通りです:
人間関係のストレス
給与・待遇への不満
成長の機会が感じられない
院長との信頼関係の欠如
ワークライフバランスが取れない
ポイントは、お金だけが理由で辞めるわけではないということ。
むしろ「環境」や「人間関係」での離職が圧倒的に多いのです。
1. 入職後3ヶ月が勝負
新卒・中途にかかわらず、最初の3ヶ月で“続けるかどうか”が決まるケースがほとんどです。
実習時とのギャップが大きい
院長・先輩からのフォロー不足
失敗を責められて萎縮する
この時期に「ここで頑張れる」と思えるかどうかで、その後の定着率は大きく変わります。
👉 具体策:
入職後の教育スケジュールを見える化する
先輩スタッフを“バディ”として配置する
院長が1on1でフォロー面談を行う
2. 給与だけでなく「納得感」を
給与を理由に辞めるケースももちろんあります。
ただし多くは「額の問題」ではなく「納得感の有無」です。
👉 具体策:
昇給の基準を明文化する
「何ができたら次のステップか」を伝える
福利厚生を“見える形”にする(セミナー補助、休日制度など)
スタッフは「不透明さ」に最もストレスを感じます。
3. 成長実感を与える
特に若手スタッフは「成長できる環境」を求めています。
👉 具体策:
症例共有や院内勉強会を習慣化する
外部セミナー参加を推奨・補助する
「できるようになったこと」を院長が言葉にして承認する
「頑張っても評価されない」と思った瞬間、退職を考え始めます。
4. 人間関係の“詰まり”を作らない
離職理由のNo.1は人間関係。
院長自身は「うちは仲がいい」と思っていても、スタッフ間ではそうではないことも。
👉 具体策:
定期的にチームでの振り返り時間を設ける
役割分担を明確にし、不満を溜めさせない
悪口・陰口を許さないカルチャーを院長が徹底する
5. ワークライフバランスの整備
長時間労働や休日の不安定さは、最も離職を早めます。
👉 具体策:
シフトは早めに提示し、予定を立てやすくする
残業時間を“見える化”して改善を促す
有給を取りやすい仕組みを作る
まとめ
離職防止のために院長ができることは、大きく分けて5つです。
入職後3ヶ月を徹底フォロー
給与に「納得感」を持たせる
成長実感を与える
人間関係の詰まりを解消する
ワークライフバランスを整える
結局のところ、院長の姿勢と仕組みづくりがすべて。
「続けたい」と思える環境を整えることで、採用コストを減らし、強い組織を作ることができます。