動物病院経営が「成長し続けなければならない」本当の理由
動物病院の院長先生の中には、
「今のままで特に困ってないし…」
「無理して大きくする必要はない」
そう考えている方が非常に多いです。
でも、ちょっと待ってください。
- 犬の飼育頭数減少
- グループ病院の増加
- 獣医師不足
本当に“現状維持”で済む時代でしょうか?
「成長しない病院」は、やがて人もお金も回らなくなる
経営における原則の一つはこれです。
同じ売上・同じ収益構造のままでは、従業員の給料を上げることはできない。
これ、実は当たり前のことですが、病院経営では意外と見落とされがちです。
「経費も増えてないし、利益もまあまあ出てる」、それ、本当に成長してるとは言えますか?
時代は変化しています。
- 給与水準は徐々に上がっていく
- 採用難易度もどんどん上がっている
- 集客も「待っていれば来る」時代は終わった
つまり、同じことをしてるだけでは、じわじわと苦しくなるのです。
他業界から学べる「成長」の本質
たとえば──
- 富士フイルムは今、フィルムではなく、ヘルスケア・化粧品が主力。
- 美容院は眉毛サロン、マッサージ、ネイルサロンまで展開。
- 歯科医院は、ホワイトニングや歯科技工の内製化。
- ドラッグストアは、食品スーパー化が当たり前に。
なぜこんなことをしているのか? 理由はシンプルです。
変化しなければ、生き残れないから。
大手企業ですら“次の一手”を常に探して挑戦しているのです。
それは動物病院でも同じです。
- エキゾチック診療・パピー教室・専門診療
- SNS・LINEを活用した再診誘導
- 看護師主導の収益プロジェクト
- オンライン相談やサブスクプランの導入 …など
変化を先取りした病院だけが、人も売上も守っていける時代です。
成長は「利益の再配分」で起こる
動物病院が成長していくには、利益を単に院長先生の取り分にするだけでなく、次のように使う必要があります。
- 従業員の労働環境・待遇改善
- 新たなサービス・集客・設備への投資
- 資金繰り安定のための内部資金蓄積(自己資本)
この3つを回すことではじめて、
動物病院は「強くて、優しくて、選ばれる」組織になります。
まとめ:病院経営に“安定”はない
獣医療は、職人の世界でありながら、これからますます経営の質とスピードが問われる業界です。
「自分は獣医師であって経営者ではない」──その気持ちはわかります。
でも、「経営」から目をそらせば、スタッフも患者さんも、病院の未来も守れません。
だからこそ、小さな一手でもいいです。昨日と違う行動を。
それが、5年後・10年後の病院を決める分岐点になります。