【必読】開業を考える獣医師へ。
勤務医時代の「当たり前」が、あなたの開業スタイルを決めている
「どこで動物病院を開くべきか?」
「どんな診療方針にするか?」
「どのくらいの規模で?どんなスタッフ構成で?」
獣医師として開業を考えるとき、多くの判断を下すことになります。
そしてその一つ一つの選択の背後に、実は “勤務医時代に過ごした環境”の影響 が色濃く反映されていることをご存知でしょうか。
開業医は「前職の延長線」で病院を作ることが多い
私がこれまで関わってきた多くの開業医の先生方は、
診療スタイル、導入機器、スタッフへの接し方、院内のルールや雰囲気 まで、
その多くを勤務医時代の当たり前をベースに設計していました。
これはごく自然なことです。
未知のことに挑戦する際、人はどうしても「過去の経験」に寄りかかってしまうものです。
それが安心材料になるからです。
「勤務医の延長線」で失敗するケース
ただし、この“当たり前”に頼りすぎることには大きなリスクも伴います。
たとえば、将来的に外科診療や専門診療(腫瘍、整形など)を軸にしたいと考えているにも関わらず、
勤務先が スピード重視・回転中心 のスタイルだった場合、
「丁寧な問診・説明」や「価値を伝えるコミュニケーション」に苦手意識を持ち、
いざ開業しても理想の診療が実現できないことがあるのです。
集客の考え方にも「勤務医マインド」が残る
特に 集客 において、この傾向は顕著です。
多くの先生が口にするのは、
「看板出せば自然と飼い主さんは来るでしょ」
「Google広告でも出せば…」
「SNSは苦手だからやらない」
しかし、勤務医時代はすでに患者さんがいる環境で診療していたため、
「ゼロから信頼を積み重ねる」経験がないまま開業 を迎える方がほとんどです。
「共感」と「信頼」で患者が来院する
現代の飼い主は、
医療内容(避妊手術ひとつ取っても差が出る)
治療方針(積極的 or 緩和的)
院内の雰囲気
院長の人柄や考え方
まで比較・検討して来院先を決めています。
つまり、「あなた自身の発信や行動」が信頼と共感を生み出し、集客につながる時代なのです。
「勤務医時代にはなかった行動」が必要になる
実際、私が支援してきた開業医の中には、
「SNSで自分を出すなんて無理」と言っていた先生もいました。
でも、
丁寧に症例のビフォーアフターを投稿
飼い主向けに避妊去勢の説明を動画で発信
スタッフ紹介や日々の感謝を言葉にする
など、少しずつ取り組んだ結果、遠方から飼い主さんが訪れる人気病院に成長しました。
その先生が言っていた言葉が忘れられません。
「最初の一歩は怖かった。でも動いた分だけ信頼が積み上がるんですね」
「周りがやっているから」に縛られないで
私たちはつい、
「あの先輩がそうしているから」
「みんなやってるからこれが正解」
と、自分の理想や価値観を後回しにしてしまいがちです。
でも、あなたが目指す医療のあり方はあなたにしか決められません。
勤務医時代に問い直してほしい2つのこと
自分にとっての理想の診療とは?
丁寧な問診?症例数をこなすこと?専門に特化?
どんな患者と、どんな関係を築きたいのか?
話を聞いてくれる人?数字だけを見て通う人?
これを明確にすることで、
「今の勤務先が自分に与える影響」や「本当に学ぶべき環境」が見えてきます。
開業はゴールではない。スタート地点だ。
開業直後の方向性がズレてしまうと、その後に 修正するのは極めて大変 です。
借金返済のプレッシャー
既存スタッフの教育のし直し
患者層の固定化
など、経営的・人間関係的に“やり直しにくい”構造になってしまうからです。
今の勤務先を「ただの職場」で終わらせないために
勤務医時代は、知識や技術だけでなく、自分の開業ビジョンをつくる大切な期間です。
開業に向けてどんなことを意識するべきか
どの職場なら自分の理想に近づけるか
いま動くべきか、あと1年かけて準備するか
そんな悩みがある方へ。
獣医師専門のキャリア相談 も行っております。