動物病院の売上は「診察室数」と「オペ室数」でほぼ決まる
動物病院は店舗ビジネスの一種ですから、売上は大きく 「客単価」「集患数」「獣医師の人数」「診察室数」「オペ室数」 に左右されます。
開業してから数年たつと、診察室やオペ室の数は簡単に増やせないことに気づく先生も多いです。
建物の構造やスペースの制約で、物理的に限界があるからです。
一方で、動線の確保や待合室の広さにこだわるあまり、
診察室は2つだけ
オペ室は1つ
というケースが非常に多いのも現実です。
もちろん、患者さんの動きやすさや快適な待合環境は大切です。
ですが、その結果 「一度に診察できる頭数」「同時に手術できる件数」に上限ができてしまい、売上の天井を自ら作っている病院 も少なくありません。
なぜ「診察室数」と「オペ室数」が重要なのか?
診察室が多ければ、多くの患者さんを同時に診られる
獣医師が複数の部屋を効率的に回れば、待ち時間が短縮できる
オペ室が複数あると、緊急手術が入っても予定を圧迫しない
結果として、外科件数が増えて 高単価の治療売上が伸び、利益率も改善 します。
逆に少なければ、予約が取りづらくなり集患力が落ちるという悪循環に。
動線や待合室の広さとのバランスは?
開業時には、どうしても「動物や飼い主さんの快適さ」を優先してしまいがちです。
もちろん重要ですが、 あまりに広い待合室や動線設計のために診察室を削ってしまうと処理能力が低下 します。
スペースがあるなら、効率的に診察室やオペ室を配置し、最大限活用できる設計を考えるべきです。
将来的な拡張性も視野に
病院開業は大きな投資です。
今は診察室2つでも、将来は3つ・4つに増やせる構造か?
オペ室をもう1部屋増設できる余地はあるか?
こうした 拡張性の確保 が、成長スピードや売上の上限を大きく変えます。
経営面からの視点
診察室やオペ室は、ただの「部屋数」ではなく 売上と利益を伸ばす仕組み としてとらえるべきです。
集患できても診察室不足で予約が取れない
オペ室不足で手術件数をこなせない
このように チャンスを逃している病院は多い です。
院長先生が目指す理想の売上規模に合わせ、最適な診察室数・オペ室数を確保することが経営基盤を支えます。
まとめ
売上は「客単価・集患数・獣医師数・診察室数・オペ室数」に直結
診察室・オペ室の増設は開業後では難しいため、初期設計が重要
動線や待合室とのバランスを取りつつ、最大処理能力を確保
将来の拡張を見据えた物件選び・設計を心掛ける
経営視点で「売上基盤」として部屋数を考えることが重要