動物病院は医療だけで十分?
サービスを軽視すると失敗する理由と改善の第一歩
「うちは医療を提供してるから」
動物病院の先生方とお話ししていると、こんな言葉をよく耳にします。
「うちはサービス業じゃないから」
「医療をしっかりやっていれば大丈夫」
「治せるかどうかが一番大事」
もちろん、医療の質は病院にとっての根幹です。
しかし、「医療さえやっていればサービスを考えなくてもよい」という考えは大きな誤解です。
飼い主にとっての“医療体験”
飼い主さんにとって病院は、単なる「診断・治療の場」ではありません。
それは総合的な体験であり、以下の要素も含まれます。
受付での対応の丁寧さ
待ち時間の快適さ
診療内容や治療費の分かりやすい説明
金額に対する納得感
どれほど医療水準が高くても、こうしたサービスの質が低ければ、「通いたい病院」にはなりません。
医療=サービスの一部
同じ診療・治療をしていても、
「この先生にお願いしたい」病院と
「仕方なく通う病院」
に分かれます。
その差を生むのは「サービスへの意識」です。
「診療はプロとして当然。そのうえで+αを提供する」
「飼い主に寄り添った説明も医療の一部」
この姿勢があるかどうかが、病院の未来を大きく変えます。
サービスを意識する第一歩
「サービス=おもてなし=コスト」ではありません。
今日からできる小さな改善は数多くあります。
専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明する
飼い主の不安を一度しっかり受け止める
会計や検査の流れを事前に伝える
スタッフ同士で「声がけ」を徹底する
これだけでも飼い主の安心感は大きく変わります。
まとめ
動物病院は医療機関であると同時に、飼い主にとってはサービス業でもあります。
「医療を提供しているからサービスは不要」と考えてしまうと、せっかくの努力や技術が十分に伝わりません。
医療とサービスは対立するものではなく、むしろ一体。
両方を意識して改善していくことで、
飼い主・動物・スタッフ、そして院長自身の幸せにつながります。