「安売り」は武器にも毒にもなる
先輩美容師から学んだ“価値”の売り方と、動物病院経営の共通点
「価格を下げれば集客できる」。
これは開業直後には有効な手段です。実際、動物病院でも「お試し診療」「初回割引」などを導入して、うまくスタートを切ったケースもあります。
しかし、安売りは“誰でもできる”がゆえに、戦略としての使いどころを誤ると、自院の信頼やブランドを削るリスクがあるのです。
美容師の先輩から学んだ「価値」の考え方
私はその教訓を、ある先輩美容師から学びました。
彼は都内で個人サロンを開業し、当初は地域の相場に合わせてカット3,850円でスタート。しかし途中から価格を6,000円に引き上げたのです。
「高すぎる」と離れるお客様もいましたが、先輩はぶれませんでした。
安さで来る顧客ではなく、“価値を理解し、共感してくれる人”と長く付き合いたいという考えからでした。
価格競争の果てに残ったもの
時代が進み、グループ系美容院が台頭すると、周囲の個人サロンは価格をどんどん下げ、薄利多売で耐え忍びました。しかし、最終的には体力が尽きて閉店していった店舗も多くありました。
そんな中で、先輩のサロンは今でも選ばれ続けています。
その理由は、「価格」ではなく「価値」で選ばれるサロンづくりをしていたからです。
丁寧なカウンセリング
高い技術と再現性
気持ちよく過ごせる空間設計
これらをSNSや口コミで丁寧に発信し、「ここに行きたい」と思われる土俵で勝負していたのです。
動物病院経営も同じ構造
これは、動物病院経営にもまったく同じことが言えます。
今や飼い主は、価格ではなく“体験・安心・納得感”で病院を選ぶ時代。
むしろ、過度な安売りをしていると、
「大丈夫かな?」
「何か裏があるのでは?」
と不信を抱かれることすらあります。
「なぜこの価格なのか」を語れるか
そして重要なのは、「なぜこの価格なのか?」を語れるかどうかです。
血液検査や麻酔管理にコストをかけている
診察時間を長く取り、丁寧な説明をしている
術後ケアやフォロー体制に人手を割いている
これらの“価値”をきちんと説明できれば、価格は納得され、信頼が生まれます。
安売りは入口。出口は「価値設計」
安売りを“入口”として使うのは賢い戦略です。
ただし、それを“出口”まで引きずると、
「価格しか見ない飼い主」が集まり、自院の価値は埋もれてしまいます。
先輩美容師の言葉に学ぶ本質
私が今でも印象に残っているのは、先輩美容師の言葉です。
「安くカットするなら、グループサロンに行けばいい。
でも、自分の理想を叶えたいなら、うちに来てほしい。」
この言葉に、本当に選ばれる店舗・病院の本質が詰まっていると感じています。
まとめ
安売りは短期的には有効だが、長期的には自院の価値を損なうリスクがある
「なぜこの価格なのか?」を説明できる病院が信頼される
飼い主が求めるのは“価格”ではなく“安心・体験・納得感”
安売りは入口戦略。価値を感じてもらえる設計が継続来院につながる
価格競争から抜け出し、“価値で選ばれる動物病院”を一緒に考えてみませんか?
