【動物病院開業】テナントか?土地建物取得か?
都市部・地方でのベストな選択とは
動物病院を開業するとき、最初にぶつかる大きな決断が、
「テナントに入るか」「土地と建物を取得するか」という選択です。
そして、この判断に影響するのが「都市部か、地方・郊外か」という立地条件。
この2つの掛け合わせは、開業後の経営リスクや成長スピードを大きく左右します。
1. テナント開業と土地建物取得開業の違い
まずは、それぞれの特徴を整理してみましょう。
● テナント開業の特徴
初期費用を抑えやすい
スピード感を持って開業できる
撤退リスクが低く柔軟性がある
内装やレイアウトの自由度が制限されることも
長期的には賃料が固定費として負担になる
● 土地建物取得開業の特徴
駐車場・動線など自由に設計可能
長期的には資産として残る
ブランディングがしやすい
初期投資が大きく、融資・返済計画が重要
立地を誤るとリスクが大きい
どちらが「正解」ということはなく、先生のビジョンと地域特性のマッチ度が重要です。
2. 都市部開業:テナントが現実的な選択肢
23区や政令指定都市など、都市部での開業ではテナント開業が最も現実的です。
理由は明確です。
土地価格が高く、取得+建築では初期費用が跳ね上がる
駐車場を確保できる土地が少ない
競合病院が多く、初期集患の難易度が高い
このような環境では、スモールスタートで検証しながら成長するのが合理的。
家賃という固定費はかかりますが、軌道に乗れば分院展開・専門科特化などの発展も狙えます。
近年では、「駅近×予約制×夜間対応」など、ライフスタイルに合わせたテナント型病院が都市部で人気を集めています。
3. 地方・郊外開業:土地建物取得が有力候補
一方で、地方や郊外での開業を検討するなら、土地建物取得が有力な選択肢になります。
理由は以下の通りです。
土地価格が抑えられており、取得が現実的
駐車場ニーズが高く、テナントでは集患しにくい
地域密着型のブランディングがしやすい
地方では「家族で車来院」が一般的。
駐車場4〜6台を確保できる敷地が、患者数を安定させるカギになります。
また、競合が少ないエリアでは、広さと個性を活かした建物設計が強力な差別化になります。
例:
自宅併設型(ワークライフバランスを確保)
大型犬向け設備やドッグラン併設
ペットホテル・トリミング併設
私の支援先でも、こうしたモデルで黒字経営を続ける事例が多数あります。
4. 「借地+建物」方式というハイブリッド解
都市部と郊外の中間地帯では、借地に自前で建物を建てるという方法もあります。
このスタイルのメリット:
土地取得費を抑えられる
自由設計の建物を持てる
将来的な資産価値も一部確保できる
ただし、借地契約には更新リスクや用途制限があるため、契約書の内容を慎重に確認する必要があります。
地主との信頼関係が、事業継続の安定性を左右します。
5. 自分に合う開業スタイルを見極めるチェックリスト
| 観点 | テナント向き | 土地建物向き |
|---|---|---|
| 開業費用 | 抑えたい | 出せる・借りられる |
| エリア | 都市部・駅前 | 郊外・地方 |
| 集患 | 開業初期からスピード勝負 | 地域密着・長期視点 |
| 経営スタンス | スモールスタート | 腰を据えて安定経営 |
| 将来展望 | 分院・専門科展開 | 一院集中・強固なブランド |
自分の「経営スタンス × エリア特性」を明確にすると、自然と答えが見えてきます。
6. 開業は「人生設計そのもの」
動物病院の開業は、人生の一大イベントであり長期戦です。
「今、開業できるか」ではなく、「10年後、どんな働き方をしていたいか」を基準に考えるのが成功の近道です。
資金・立地・働き方・家族との時間——
それぞれのバランスを見極めた開業こそが、長く愛される病院をつくります。
もし迷っている先生がいらっしゃれば、
エリア選定・資金調達・採用設計を含めた現実的な開業プラン作成をご支援します。
